ふるえとは

ふるえは医学的には振戦と呼ばれ、身体の一部が自分の意志とは関係なく規則的に動いてしまう状態を指します。本態性とは「原因がはっきりとしない」という意味の医学用語です。

聞き慣れない病名かもしれませんが、「本態性振戦」は40歳以上の4%、65歳以上の5〜14%の人に認められるとの報告もあります。
(出典:日本神経治療学会『標準的神経治療:本態性振戦』)

本態性振戦の治療は薬物療法から始め、十分な効果が得られなかったら、手術療法なども考慮します。合併症や副作用なども考慮して治療法を選択していきます。

ふるえは医学的には振戦と呼ばれ、身体が自分の意志とは関係なくリズミカルに動いてしまう状態を指します。ふるえが現れる病気のうち、代表的なものを紹介していきます。

じっとしている時よりも、文字を書く、食事をするなどの動作時や、特定の姿勢をとった時に現れやすい傾向があります。

年齢とともに徐々に症状が悪くなることがありますが、歩けなくなったりすることは稀です。

手足の他、頭や声のふるえを認める場合もあります。

家族にも同じ症状を認める場合もあります。

中脳の黒質という場所にある、ドパミン神経細胞が減少し、作られるドパミンが減ることで、体の動きをスムーズに制御することが難しくなる原因不明の神経の病気です。
パーキンソン病の主な運動症状は、ふるえ(振戦)、動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害です。ふるえは静止時の振戦が特徴で、座って膝の上に手を置いているときなどに起きます。

患者さんの数は日本国内で約16万人、1000人に1人~1.5人と言われていますが、高齢者に多く、60歳以上では100人に約1人との報告もあります。
(出典:厚生労働省 平成29年患者調査)

治療は薬物療法が基本です。少なくなったドパミンを補充するため、ドパミン前駆物質のLドパを服用します。Lドパは腸から吸収され、脳内でドパミン神経細胞に取り込まれてドパミンとなります。薬物療法で十分な効果が得られない場合には、手術療法が検討されます。合併症や副作用なども考慮して治療法を選択していきます。